税理士への領収書などの送り方

確定申告をはじめ、書類の整理などが面倒な事務仕事を税理士に丸投げしている人もいるでしょう。この際、領収書などを郵送で税理士事務所に送付する必要がありますが、送付の履歴を公的な記録として残すなどする必要はあるのでしょうか。そこで本記事では、税理士に領収書などを送る際に、どのように送れば良いか解説していきます。

そもそも領収書はどんな形で送る?

領収書の記帳などを税理士に依頼する場合、税理士に領収書を送る必要がありますが、どんな形態で送るのが良いのでしょうか。まず一般的なのが、領収書やレシートなどをそのままの状態で税理士事務所に送る方法です。依頼者側がやる仕事が一切なく、税理士事務所に丸投げできるのが便利でしょう。ただし、この方法だと送料がかかる、税理士事務所側で万が一領収書を紛失したとしても相手方のミスに気づけ無いなどのデメリットもあります。

次に領収書をファイル形式で送信する方法には、領収書をスキャンしたものを送る、カメラで撮影したものを送る、Excelに入力したものを送るの3つの送り方があります。どれも作業の手間はかかりますが、データでやり取りをするので、郵便で送った際のように届かない、領収書を紛失したなどのトラブルが少ないです。それに、郵送とは違いすぐに税理士側にデータが届くというメリットもあります。ただし、対応している方法は税理士事務所によって異なることから、確認してから依頼しましょう。

期限まで時間が無く、郵送だと間に合わない場合、税理士によってはFAXで対応してもらえることがあります。しかし、FAXは紙の無駄遣いになるうえ、送信した領収書がすべて相手側に届いているか確認するのが難しいのであまりおすすめしません。急いでいる場合はできるだけデータ形式でメールやクラウドなどを使って送信しましょう。ただし、この場合一切パスワードを設定せずに送信してしまうと、第三者にデータを改ざんされたり、悪用されたりするトラブルに繋がります。そのため、zipなどに圧縮してパスワードを設定し、別途でパスワードを相手に伝えるようにしましょう。

郵便で送るときは必ず追跡できるようにしよう

郵便で領収書などを税理士に渡した際に起こりうるトラブルとして、郵便物の盗難によって税理士の元に領収書が届かないことが挙げられます。税理士側が書類を失くした、依頼者側が期限内に領収書を送らなかったなどの可能性も考えられ、税理士との関係性の悪化に繋がってしまうでしょう。そんなトラブルを避けるためには、必ず追跡をし、送った領収書が税理士の元に届いたか確認できるようにするのがおすすめです。その方法としては、まず書留が挙げられます。郵送する書類を書留にしたい場合は、郵便局で書留・特定記録郵便物受領証に必要事項を記入し、料金を支払うだけです。この方法なら、必ず手渡しで税理士に領収書を渡せますし、追跡もできます。ただし、領収書が入っている封筒に「領収書在中」と記載するのも忘れないようにしましょう。

しかし、忙しくて営業時間内に郵便局に行けないこともあるはずです。そんな場合はレターパックを利用すると良いでしょう。少し割高にはなりますが、レターパックプラスを選択すれば追跡や書類の手渡しが可能なので、書留と同じ効果を得られます。ポストに投函するだけで、手間もかからないのが便利です。ただし、レターパックを選択する場合、郵便ポストに入ることが条件です。したがって、領収書が大量にある状態だと入らないこともあるので、注意しましょう。

ちなみに、書留でもレターパックでも必ず追跡番号が発行されます。領収書の受け渡しをスムーズに行うには、依頼者側だけでなく、税理士側にも追跡番号を伝えた方が良いです。そのため、発送の連絡を税理士にメールなどでする際には、発送番号も伝えておくと良いでしょう。また、領収書の控えは7年間保管する義務があります。したがって、領収書を渡すだけで確定申告などができるサービスを利用する場合は、必ず領収書をコピーし、ファイリングするなどして、失くさないようにしましょう。

送る書類の量が多い場合は、段ボールに入れて宅配便で送るのも一つの手です。宅配だと料金は割高にはなるものの、手渡しでわたしてもらえますし、追跡もできるので紛失の心配がありません。しかし、稀に雨などで濡れて中に入っている書類が読めなくなってしまうなどのトラブルが起こることがあります。対策として、書類は袋に入れて水への対策をしたうえで、段ボールに入れると良いでしょう。

領収書を送る際に意識したい気遣い

領収書を送る際、封筒に領収書を入れて送るだけで良いことも多いです。しかし、ただ領収書しか入っていない状態だと、依頼する側という立場であっても失礼でしょう。それに、税理士とは長い付き合いになることも多く、良好な関係を維持するためにも、相手方に気遣いを見せる必要があります。そこで、領収書などを送る際に意識したい気遣いにはどんなものが挙げられるでしょうか。

まず挙げられるのが送り状です。取引先に領収書だけを封筒に入れて送るだけだと、失礼と捉えられることがあるでしょう。相手が税理士でも同様で、送り状を付けるだけで丁寧な印象を与えられます。それに、領収書を封筒から出してしまうと、どこの会社・依頼者からの領収書なのかもわかりにくくなってしまうので、送り状には他の会社の領収書と間違えられてしまうことを防ぐという役割もあります。送り状には、「送り状」というタイトルで、作成した日付、社名(依頼者名)、同封している領収書がいつからいつまでのものかを必ず記載してください。また、送り状にはビジネスマナーとして、「近年にない厳しい寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。」「日脚は伸びても、寒さはまだまだ厳しい今日この頃。どうぞ、お元気でお過ごしください。」など、その季節に合わせた書き出し・文末の挨拶を入れましょう。

次に注意したいのが領収書の順番です。手当たり次第に領収書をとりあえず封筒に入れる人もいますが、これだと領収書の順番がぐちゃぐちゃになってしまいます。税理士に記帳や確定申告を依頼した場合、領収書は日付順に並び替えたうえで記帳するのが一般的。そこで、依頼する側で日付順に領収書を並び替えてから渡すと税理士側の負担を減らせます。それに、税理士に領収書が関わる作業を丸投げしていると、領収書の提出忘れに気づけないということもあります。そこで領収書の並び替え作業をすることで、提出前の領収書の最終チェックにもなり、高額な領収書の提出を忘れてしまうという事態を避けられます。

そして、領収書のメモ書きも忘れないようにしましょう。税理士は領収書を1枚1枚確認して、経費として計上して良いものかどうかを判断しています。そのため、本当に仕事上で発生したお金なのに、経費ではなくプライベートで使用したお金と判断され、経費に計上してもらえないことがあります。このような事態を防ぐなら、領収書にどんな目的で、接待で発生した費用の場合はどこの企業との接待で発生した経費なのか、メモ書きを付けておくと良いでしょう。

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